広報誌『はあとふる』2011年10月号掲載記事より
肝に銘じる
命の大切さ、そして危機感
3月11日に発生した東日本大震災をはじめ、度重なる大型台風の襲来。今年は、自然の脅威を痛感する1年です。
JA紀州中央管内も、9月3日から4日にかけて紀伊半島に接近した台風12号による集中豪雨が、甚大な被害をもたらしました。
今後、私たちの住む地域を襲うとされる東南海・南海地震の発生も懸念されています。
御坊市藤田町の長谷川均さんは、防災の大切さを痛感し、自主防災に取り組んでいます。
防災活動に熱心だった当時の区長さんの影響を受けて、平成16年に災害時等に役立つ「救援グッズ」を備えました。自宅前に保管庫を設置し、ツルハシやジャッキ、タンカー、ハシゴ、ロープなど11種類を揃え、地域の住民が誰でも使えるようにしています。
幸い、今のところ藤田町には大きな災害は発生していませんが、溝にはまってしまった自動車をジャッキを使って救出したり、腰を痛めた近所の人をタンカーに乗せて病院まで運んだりと、様々なかたちで「救援グッズ」が役立っています。
これまでは津波が来ても安全とされていた藤田町ですが、東日本大震災の想像を絶する津波を目にし、「もしかすると、津波に襲われる可能性がない訳ではない」と、いっそうの危機感を持つようになり、地域の方々と協力しあい、高台に通じる避難通路を整備しました。
道幅の狭い林道を拡げ、みかん畑の一部を借りて近道を作り、逃げる方向を矢印で示した看板や夜間に点灯する誘導灯を設置。急な上り坂には手すり代わりのチェーンを取り付け、6月に整備が終わりました。
「命の大切さと危機感!」この言葉を肝に銘じ、「人を頼らず、あてにせず、自分で出来ることをしないといけない」と語る長谷川さん。「口に出した以上は、実行しないと気が済まない性格だから」と、とても真剣な眼差しです。
もちろん、自宅の防災対策には万全を期しています。家具やガラス戸の固定をはじめ、何年も前から、火災報知機や停電時避難誘導用の非常灯を設置し、災害に備えています。
つい先日、吉田地区の防災講習会が開かれ、50人の住民を前に講師を務めました。
今回の台風では、日高川町の甚大な被害に、災害の恐ろしさが身に染みました。「予想外のことが起こり得る」ことを痛感し、「一人でも多くの人に、自分がやっている自主防災を真似してもらいたい。そして、一人でも多く、大切な命が助かってほしい」と、心から願っています。
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