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御坊市 名田町野島   道  信宏 (みちのぶひろ)さん (38歳)

就農年数 19年。 ひまわり12a、カスミ草40aを栽培されています。名田出荷連野島地区出荷役員。
道信宏さん広報誌『はあとふる』2010年7月号掲載記事より

 困難をも楽しむ    みち
    そこに至るまでの途


 まるで光り輝く太陽のような夏の花。眺めるだけで元気になれる『ひまわり』が、出荷の最盛期を迎えています。

 御坊市名田町の生産者、道信宏さんを訪ねました。


○苦い経験
 農家の長男だった道さんは、高校入学時より跡を継ぐと心に決めていました。ご両親は、豆類やスイカ、カスミ草などを栽培されていたのですが、道さんは就農時に愛知県でカーネーションの研修を受け、新たに10aの圃場で栽培を始めました。

 ところが、2年目に萎凋細菌病が発生。試験場の検査を受け、苗から感染したものと分かりました。土壌伝染性の病気で、圃場全体に拡がる可能性があるため、カーネーションの栽培は断念せざるを得ませんでした。諦め切れない想いを持ちつつ、「次に何を作ろうかと途方に暮れていた」と、当時を振り返ります。

 一方、その頃は冬場に栽培するカスミ草の面積を増やしていた時期でした。後作となる夏場の作物を探していたこともあり、連作障害の防止にも役立つひまわりの栽培に巡り会いました。


○波に乗り
 17~18年前は、まだ『太陽』や『かがやき』といった大輪の品種しかなく、全国的にもひまわりの産地はありませんでした。数年後、アレンジメント用の小さな品種『サンリッチシリーズ』が登場したことで急激に需要が増え、道さんも栽培面積を増やしました。

 現在はカスミ草40aを主に、後作としてスタンダードな形のひまわり『サンリッチパイン』5aと豪華な八重咲きの『東北八重』7aを栽培しています。

 ひまわりは、4月上旬から中旬にかけて順に播種を行い、5月中旬から7月上旬にかけて収穫します。気温の低い時期に播種を行うと、保温のため透明マルチを張って発芽を揃えるのですが、今年は春に低温が続いたため特に気を遣いました。


○自信の裏づけ
 出荷規格に合わせた栽培が難しいひまわり。手をかけずに育てると、ハウスの屋根に届く程背丈が伸びてしまう品種もあります。密植したり、石灰などの改良資材を工夫する他にも、成長に合わせて水分量や温度を調節するなど、徹底した管理が必要です。毎年違う気候や環境の中で、同じ栽培方法を続ける訳にはいきませんが、「どう対応すれば良いのか勉強になり、楽しい」と、やり甲斐を感じています。

  「父からは、仕事は教えてもらうものではなく、盗むものと言われていた」と話す道さん。これまでにも農業の難しさを数多く経験してきましたが、「今思えば、カーネーションの栽培を諦めた時と、25歳の頃に父より突然全てを任された時が、もしかすると苦労だったのかもしれない」と、過ぎた日を思い起こします。

 軌道に乗った現在は、需要期の出荷を目指し、前もって作業計画を立てています。播種の時期や他の作業との兼ね合いを考えた、計算し尽くした農業経営です。そのために、市況データや作業日誌などの記録を毎日欠かすことはありません。研究を重ね、難題にぶつかったとしても苦労とは思わず、「日々、勉強!」と前向きに挑み続けています。


 一昨年、ひまわりが「父の日」のアイテムに選ばれ、消費者のイメージも定着してきました。これを機に出荷量を増やしたいところですが、気温が高くなる時期には一気に開花してしまい収穫が追いつかなくなるため、量よりもこれまで以上の質を求めて栽培に取り組んでいます。

 困難をも楽しめる心の余裕。若い頃の経験が糧となり、何よりも日々積み重ねている努力と研究が自信に繋がっているようです。

 働き盛りの今、3人のお子さんを持つお父さんでもある道さん。ひまわりからパワーを得て、益々のご活躍をお祈り申し上げます。

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