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| 田辺市 龍神村福井 岡本 隆文 (おかもとたかふみ)さん (65歳) 就農年数 49年 水稲25a、梅70本を栽培。 JA紀州中央梅部会龍神支部長、JA紀州中央非常勤監事を務められています。 |
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笑顔でつながる家族と地域 日高川の上流、深い山々に囲まれた自然の宝庫・・・ 今回は、田辺市龍神村の岡本隆文さんの梅畑に伺いました。 昭和34年、中学3年生の時にお父様がご病気で他界され、卒業後、長男であった岡本さんが跡を継がれました。お母様と共に農業を営まれていたところ、その年の10月に地元の農協へ就職。退職までの43年間、ずっと兼業を続けられました。 就農当時は、水稲と野菜を栽培されていたそうですが、約10aの空き地に40本の梅を植栽し、現在70本まで増やされています。退職後は、奥様と一緒に農業に勤しまれ、最近ではご近所の梅畑も借り入れて、梅栽培に力を注がれています。 ○龍神の梅 山間部の龍神地区は、春になっても朝晩は冷え込み、5月上旬まで遅霜が降りることもあるそうです。そのため、梅の収穫は他の地区より1ヶ月程遅く、梅の消毒や収穫と田植え時期が重なり、とてもお忙しいそうです。 消毒は2週間置きに6~7回必要で、ほとんどが手取り収穫のため、大変時間と労力がかかります。梅雨時期に入ると、雨の中で作業することもあり、相当なご苦労であることが窺えます。 「近くに住む弟や妹夫婦に手伝ってもらいながら、なんとかやっています。兄弟の有難みを実感しますね」と、とても感謝されています。 また、鳥獣害対策にも悩まれているそうですが、数々のご苦労をされても「良いお米や、良い梅が出来た時の喜びと充実感は、何物にも代え難いですね」と、農業にはやり甲斐を感じていらっしゃいます。 ○高齢化が進む中で 現在、岡本さんはJA紀州中央梅部会の龍神支部長を務められており、剪定講習会や出荷会議、漬け梅講習会などに取り組まれています。「役員さんや部会員の皆様に支えられて、何とか頑張っています」と、とても謙虚に語られます。 昔は部会員が70~80人いたそうですが、52人にまで減ってしまいました。「高齢化が進み、梅栽培を諦めた方が多いです。代々受け継いだ土地と梅の木ですから、何とか廃園にしないよう、部会員が借り入れて栽培を続けています」と、龍神地区の梅栽培が衰退してしまわないよう尽力されています。 岡本さん自身「もう若くはないので、梅畑も水田も増やして行くことは体力的に難しい」と話されます。しかし、「今後も現状を維持していくことが目標です。そのためには、妻と2人、健康に十分注意しながら、1年でも長く頑張って行きたいですね」と、農業への熱い意気込みが感じられました。 ○理想郷 岡本さんの好きな言葉は『和』。 少子高齢化が進み、集落が減少する中で、「田舎独特の隣近所との助け合いの『和』を大切にしています」と、ご近所18軒のつながりを深められています。 そして、「家族の『和』を保ち、笑顔や笑い声の耐えない家庭、気さくに皆が立ち寄ってくれる様な家庭を築きたい」と願われています。 現在は、お母様と奥様との3人暮らしですが、上2人の娘さんたちはすでに和歌山市と堺市に嫁がれ、4人のお孫さんに恵まれました。「時々、暇を見つけて孫たちに会いに行くのが、私たちの楽しみです。うちで作ったお米や野菜を持っていくと、皆とても喜んでくれるんですよ」と、満面の笑みを浮かべられます。 また、田辺市内に勤務されている末っ子のご長男は、今年2月に近所の娘さんとご結婚されたばかり。「農繁期には手伝ってくれるなど、何かと頼りになってくれています」と、心強い支えのようです。今はお二人で近くにお住まいですが、「将来的にはこの家で一緒に住み、跡を継ぐと、夫婦揃って決心してくれています。本当に有難いことです」と、感謝の念が伝わってきました。 少子高齢化- この龍神地区においても、切実な問題です。 岡本さんのお話を伺っている間、すぐ側で奥様とご兄弟が作業をされており、時々交わされる言葉と笑顔がとても印象的でした。岡本さんのように、ご兄弟やご子息が近くに住まれ、助け合い支え合いながら暮らされている光景を目にすると、とても心が温かくなります。日本古来の理想の家庭像、地域像と言えるのではないでしょうか。 子々孫々、岡本さんご一家のご繁栄と、龍神地区の梅栽培の永続を、心よりお祈り申し上げます。 |