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| 日高川町 三十木 竹内 孝三郎 (たけうちこうざぶろう)さん (68歳) 就農年数 50年。 千両30a、水稲20aを栽培されています。 |
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経験を重ねてなお お正月の縁起物。JA紀州中央管内で栽培された千両が、今年も全国のご家庭で飾られたことでしょう。 今回は、千両の生産者、日高川町の竹内孝三郎さんを訪ねました。 ○めぐりあい 竹内さんは18歳の時、八朔や椎茸を栽培されていたご両親の跡を継がれました。ご両親が還暦を過ぎてからは竹内さんが主となり、4~5年前までは土木関係のお仕事との兼業で農業を営まれて来られました。 就農されてからの10年間は八朔と椎茸の栽培を続けられていたのですが、どちらも価格の低迷に苦しまれたそうです。また、八朔は実が重く、重労働だったことと、毎年一万本程栽培していた椎茸の原木が手に入りづらくなったこともあり、それぞれ栽培量を減らされました。その頃、当時すでに栽培が盛んだった印南町の知人より千両の栽培を勧められ、3aの圃場から始められました。 ちょうど同じ時期、竹内さんは28歳でご結婚され、その後は奥様と2人で農業を営まれています。兼業農家だった竹内さんは、「今こうして農業が出来ているのは、妻のおかげ。妻が居なければ農業は続けられなかった」と、40年という長い間支えて来られた奥様には、とても感謝されています。 ○結実 三十木地区は山間部に位置します。最低気温は平野部より2℃程低く、昼夜の気温差が激しいほど良いとされている千両の栽培にはとても適した土地柄です。 竹内さんが一番神経を遣われているのは、出荷時期。「千両は一年にたった一回、お正月用に合わせなければいけません。間に合わなければ、意味がありませんから」と、真剣そのものです。 千両の生育については、未だ解明されていないこともあり、気候と土地によって生育が全く違ってくるそうです。「その年に収穫する千両は、2~3年前からの気候が影響しているのかもしれないと思うこともあります」と話されます。また、以前30年間ずっと出来が悪かった圃場が、ある年突然良くなったことがあり、何が影響したのか全く分からないそうです。 長さや実の数、色付きなど、少しでも品質の良い千両を栽培しようと取り組まれていますが、「どれが正解なのかは分からないんです。肥培管理などは勘頼り。今出来ているという結果を基に、その年の気候などから判断しています」と、これまでの経験に基づいて毎年試行錯誤を重ねられています。 ○真摯に 4年程前、ちょうど収穫で忙しい最中、竹内さんは大病を患い2度も手術を受けられました。その後、ご主人の病気によるショックとストレスで奥様も体調を崩され、お二人共健康の有難みが身に沁みたそうです。「それまでずっと元気に過ごせていたからこそ、無理をし過ぎたのではないか」と話します。現在はお二人共回復し、以前と同じように農作業をこなせるまでになられました。野菜中心の食生活を心掛け、労わり合いながら暮らされています。「健康を第一に、時の流れに沿って地道に生きる。健康で過ごさせてもらえたら、それが何よりです」と、人生観を語ります。 竹内さんの後継者は、同じ敷地内に住む息子さんです。忙しい時期には手伝いをされているそうですが、働きに出られているため、本格的に継ぐのは定年後、まだ20年も先のことです。「88歳まで現状を維持出来るとも思えませんが、ご先祖様から受け継いだ財産は守り続けていたいですね」と、未来に想いを馳せられています。 現在の課題は、価格の低迷です。「千両の栽培をやめても、他に栽培するものもない」と話しながらも、「JAががんばってくれているので、私たちもがんばりたい」と決意を新たにされます。 言葉少なに語る竹内さんの近くでは、いつも朗らかな奥様が満面の笑みを向けられます。これまで、お互いに支え合って歩んで来られたことが手に取るように伝わってきました。 末永くお健やかに、お二人仲睦まじく農業を続けられることを心よりお祈り申し上げます。 |