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| 御坊市 湯川町財部 玉井 正人(たまいまさと)さん (54歳) 就農年数25年 小玉スイカ20a、適熟芳香南瓜25a、レタス60a、ゴーヤ10a、水稲90aを栽培されています。 JA紀州中央野菜部会部会長。 |
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年輩者の声を聞く 積み重ねた経験は〝宝〟なり 露地栽培で日本一早いスイカの産地、御坊市湯川町。JA紀州中央特産の小玉スイカ『ひとりじめ7』の生産者、玉井正人さんを訪ねました。 ○ 一球入魂 交配前の整枝作業を行う玉井さん。長さ110mに亘るトンネル栽培で、奥様と二人での作業が続きます。一株に5本の蔓を伸ばし、3~4玉の実が同じ大きさに育つよう長さを揃えます。その後の生育に大きな影響が出るため、作業には細心の注意が必要です。 今年は春になっても寒く、天気の悪い日が続いたため、一週間程成長が遅いようです。「農業は自然相手で、毎年違う。一年一年が勉強」と品質の良いものを栽培するよう試行錯誤を繰り返しています。 5月下旬の収穫に向けて、これからが大切な時期。交配して実を着けると、卵ほどの大きさになった順に、目印となる『着果棒』を立てていきます。JA紀州中央では、部会が定めた基準日と試し切りによって、収穫の日を決めます。 ○ 醍醐味 玉井さんは、30歳の頃より大工との兼業で農業を営み、4年前に専業農家となりました。この地区では、スイカは40年程前にはすでに栽培が盛んで、同じように大工との兼業農家だったお父様から受け継ぎました。 兼業だった頃は苗を買って植えていましたが、今は種を撒くところから行います。「一から手掛けたものを収穫するのは、何よりうれしい」と農業の喜びを語ります。 圃場の面積が広く、交通の便が良い湯川地区。しつくことなく乾きやすい土壌で、6月半ばより9月半ばにかけては水稲、10月上旬から12月中旬にはレタス、2月から5月末にスイカと適熟芳香南瓜を栽培します。毎年三毛作が出来る、まさに『財部(たから)』という名前通りの恵まれた土地です。 ただ、農家の高齢化は、ここでも例外ではありません。玉井さんの圃場の半分は休耕地を借りたもの。「ここは日本農業の縮図」と話します。後継者のいる農家は施設栽培を展開していますが、いない農家は露地栽培を続けています。高齢化が進んだ結果、休耕地が増えてきました。 玉井さんも、息子さんはまだ学生ですが、「違う分野の勉強をしており、跡を継いでくれるとは思っていない」と、若き日のご自身を重ねます。 ○ 培う 「農業で収入を得るには、自分一人の力では難しい。経験豊富な先輩の教えほど頼りになるものはない」と語ります。 去年、定植の時期に雨が続き、土の状態が悪くて3週間も遅れたそうです。土を練ってしまうと定植後の成長に影響が出てしまうため、状態が良くなるのを待つ他ありませんでした。「その時はさすがに焦りましたが、『慌ててもしょうがない。慌てず、待て』との先輩からの助言で、収穫は遅れたものの、品質の良い品物が出来ました」と、経験を積んだ周りの方々をとても尊敬しています。 専業農家となって5年目。「農業は理屈では分からないことばかり。圃場だけを考えても、北側・真ん中・南側で状態が違います。どの状態でどこから植えていくのか、大きさの違う苗をどのように植えていけばいいのか、経験を重ねてこそ分かるもの。私も、今やっと畑を知ることが出来たところです」と、農業には経験と技術が必要だと強調します。 ○『ネバーギブアップ』 小玉スイカは人気があり価格も落ち着いているため、「まだまだ面積を増やして収益をあげたい」と『向上心』を持ち続け、昨年より先輩からの勧めでゴーヤの栽培にも『挑戦』しています。 JA紀州中央野菜部会長として、「土地を眠らせず活性化させるために、どんな作物を作ればいいのかが課題。農業が衰退しないよう、長く作れるものを探したい」と、意欲に燃えています。 私たち農業に携わる者は、日本の食を守り続けていかなければなりません。決して諦めてはいけないのです。 玉井会長の強い意志とリーダーシップで、地域農業が一層盛り上がることを心より祈念いたします。 |