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| 日高川町松瀬 上野 吉生(うえのよしお)さん (61歳) 就農年数 36年。温州みかん、中晩柑類1.5haを栽培しています。 |
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台風被害を乗り越えて 夫婦で一からスタートを 台風12号による大水害から5ヶ月。バラを栽培していた日高川町松瀬の上野吉生さんは、被災した施設の復旧を進め、復興へ向け全力を注いでいます。 14年前に建設した22aの鉄骨ハウスには、養液栽培システムを導入。鉄パイプで組み上げた栽培ベンチを7列設置し、約15,000株のバラを栽培していました。 「農業が生き甲斐で、バラの栽培が何より楽しかった」と話す上野さん。「仕事に関しては完璧主義」と断言するほど、時間をかけ、愛情を込めて育てていました。 水害により、その施設が4m以上も水没し、濁流が引いた後は無残な姿に変わり果てました。すさまじい惨状を前に、ぼう然と立ち尽くすしかなく、深い絶望に襲われました。 しかし、県内外から延べ60人もの方々がボランティアに来て下さり、一生懸命手伝ってくれる姿に「やらなあかん」との思いがこみ上げてきました。 流れ込んだ土砂は、2tトラック約400台分もあり、倒れたバラの木や50mもの栽培ベンチを運び出すのは重労働で、「ボランティアの方々の助けは、本当にありがたかった」と、感謝の念に堪えません。 施設の建設時に借り入れたお金の返済はまだ終わっておらず、収入の道も途絶えてしまいました。先のことを考えると不安ばかりが募りましたが、そんな時に助けられたのが妻の清美さんでした。「なるようになるわよ」との清美さんの優しい一言に、心が救われました。 お金のことは任せ切りでしたが、「一年くらいならなんとかなる」との言葉に、「やっぱり、女性は度胸がある」と、改めて妻の偉大さに気付きました。 被災した同じ地区の生産者仲間たちとは、復興支援に対する要望を伝えるため、何度も役場に足を運びました。 これまでは、台風などの自然災害では補助など全くありませんでしたが、今回は、県と町から再建費に対して3分の2が補助されることになり、行政の早い対応に感謝するばかりです。 生産者の中には、70歳を超えて、ハウスを建て直し農業をやり直すという方がいます。 上野さんも、再び、好きだったバラ栽培を続けたいという思いはあるものの、バラの苗は高額で、莫大な初期投資が必要です。 先のことはまだ考えられませんが、「まず、スタートを切らなければ」と、すぐに収益を上げられそうなミニトマトの栽培を始める計画です。6月までに施設の復旧を済ませ、7月からはミニトマトの苗づくり。幸い、近所にはミニトマトを栽培する仲間が大勢おり、心強い限りです。 夫婦二人三脚で、また一からスタートを切る覚悟を決めました。 平成23年9月 被災直後の様子 現在の様子 |